0.はじめに

情報系、特にソフトウェア寄りの学生のために私の業界研究の結果をまとめておこうと思います。

あくまで、私が調べた時点での結果ですし、誤りを含んでいる可能性もあります。

自分で情報を取捨選択するようにしてください。

 

1.分類

ソフトウェア寄りの学生が就職するとなると、その多くはSE(システムエンジニア)ですから

SIer(システムインテグレーションを行う企業)に就職することになるでしょう。

SIとは、簡単に言えば「顧客のためにシステムを構築すること」です。

SIer以外には、例外的に社内SE(会社のシステムの運用保守)もありますが

新卒で就く職でもないのでここでは割愛することにします。

* SIer = エスアイアーと読む

<注意>

この業界では、コンサルタント/PM>システムエンジニア>プログラマという

上下関係があり、例えるなら、管理職>現場監督>土木作業員と言ったところでしょうか。

具体的な作業をする人間より、それを管理する人間の方が重宝されます。

プログラマはもちろん、下流のシステムエンジニアも人海戦術の使い捨て要員です。

実際、そのほとんどが派遣社員や低賃金の海外でまかなわれます。

各企業は、既に業界内での立場があり、担当する範囲も決まっていますので

いくらプログラミングが好きだとか、具体的な作業がしたいとか思っても

下流しかやっていない下請け企業に就職するのは自分の首を絞めるようなものです。

それらの知識を活かして指示を出す立場にならないと未来がありません。

この業界は、「転職は当たり前」と言うほどに非常に高い転職率を誇っていますが、

その転職の理由の1つが「上流の(Lvの高い)仕事がしたい」であることを覚えておきましょう。

 

項目

独立系SIer

メーカー系SIer

ユーザー系SIer

定義

親会社を持たない独立した企業

ハードウェア企業(日立・富士通など)が親会社

親会社のシステム部門が独立したり

グループ企業の出資で設立された企業

企業の強み

使用できるものに制限がない

顧客の業種も幅広い

親会社の製品であれば、様々な面で融通が利く

親会社が安泰なら、潰れたり買収される危険は低い

親会社の業務に特化している

仕事は親会社や、グループ企業が中心

企業の弱み

親会社などが無いので、仕事は

営業が頑張らないと回ってこない

親会社の製品をメインに使わなければならない

業務知識強化を図る独立系SIerなどに

買収される危険性が高い

現状

大手の数社以外は仕事の2次受け以降が

ほとんどで、重要な部分に携われる可能性が

低いうえに、他社に派遣されることもしばしば。

中小企業ともなれば、もはや単純労働者

役員は親会社からの天下りがほとんどなので

そちらへの出世は難しいが、独立系SIerのように

派遣されたうえ単純労働ばかりで使い捨てと

いうことも少ないので安心して働ける。

親会社の業務分野次第で、流行廃りが激しい。

現在のところ好調なのは金融、医療の分野で

逆に、流通や製造の分野はイマイチ。

企業規模は小さめなので、就職競争率は高め。

スキル

大手に就職し、実力もあるならば大いに

成長できる可能性が高い。

それ以外ならベンチャーの方がまだマシ。

メーカー限定でノウハウは身に付くが、それだけで

転職は難しい。自分で勉強しておく必要がある

対象の業務のスペシャリストになれる

商社系、金融系(銀行・証券・保険)

医療系、製造系などの分野がある

給料

大手の数社は高めだが、それ以外は

かなり低くなっているうえ、未来も不安

高くもなく低くもなく安定している

親会社の水準に準じていることが多い。

金融系、医療系は高給か。

結論

大手に就職して激務高給を狙うつもりなら

良いが、多くの仕事に携わりたいという理由

だけで、独立系SIerを選ぶのは危険。

実態は単純労働or下請けへの丸投げ

公務員に近い就職形態を望むなら最適。

設備や制度なども整っていることが多い。

ただし、リストラがないとは言えないので

それなりに勉強しておく必要はある。

先行き不安な部分はあるが、業務知識が

身に付くので、万が一の時にも転職はできる。

ただし、銀行など運用保守が主業務という

分野もあるので、よく調べる必要がある

 

2.見分けるポイント

その企業が、良い企業なのか悪い企業なのかを見分けるポイントを幾つか挙げておきましょう。

①勤続年数

当然ながら、みんなが長く働ける企業の方が優れています。

勤続年数が10年ならば、自分も10年後には転職する覚悟でいる必要があるというわけです。

感覚としては、10年に遠く及ばない企業は危険で、15年以上になるとかなり安全と考えられます。

②平均年齢

ここは誤解しやすいところですが、「平均年齢が低い=若手が活躍している」とは限りません。

本当にそうである場合もあるかも知れませんが、それはベンチャーくらいでしょう。

実際は、みんなが若いうちに自分の未来を危惧して辞めているだけかもしれません。

大量に採用して、大量に辞めていくことが多いので、社員総数と採用人数も参考になります。

③社員1人あたりの売上

売上÷社員数という簡単な計算で算出できます。

出た値が1千万を切っているなら止めておいた方がいいでしょう。

そういった企業は、実態がSE派遣業である可能性が高いと言われています。

少なくとも、ここに載っている企業はやめておいた方がいいでしょうね。

さらに、例え1千万以上であっても安心はできません。

社員を犠牲(悪待遇)にすることで、高い利益率を誇っている企業もあります。

中には、交通費すらまともに出ない不思議企業もあるので注意しましょう。

④2ch情報

情報システム@2ch掲示板を見るとだいたい危ないところは見えてきます。

悪いことしか書いてない場合が多いので、真偽を見極める必要がありますが

ある程度読んでいれば、どこがヤバイのかは何となく分かってきます。

⑤過去の採用実績

これまでに自分の先輩達が多く就職している企業は安全なことが多いと言えます。

他力本願なところはありますが、実態は働いてみないと分からないこともあるので

ある程度の参考にはなるでしょう。…とは言え、実際に先輩達の話を聞くのが一番でしょうね

 

3.履歴書&面接関連情報

初めの頃は、本当の自分で勝負したい!!とか、他人と同じ事を言いたくない!!とか

思ってる人が多いと思いますが、正直それは考え方が甘すぎですので、いくつか注意しておきます。

①自己分析は何のため?

自分にはどんな職業が向いているのか?それを知るためには自己分析は大いに役立つと思います。

しかし、一般的に言われているような自己PRや、志望動機の基礎としては到底使えないでしょう。

就きたい職が決まっているのなら、自己分析の結果ではなく、その職に求められている資質に

基づいて、自己PRと志望動機を書くべきです。営業職なのに、物事を深く考えることが好きですとか

言ったら、研究職でもやれと思われるのがオチです。そんなわけで、就きたい職が決まったら

第一に、その職に必要とされる資質を検索でもかけて調べましょう。ちなみにシステムエンジニアの

場合は、顧客との間で必要となるコミュニケーション能力、新しい技術に対応するための技術的な

向上心と斬新な発想力、そしてメンバーと連携して開発していくためのチームワーク。これらが

基本になって、あとは志望先企業のウェブページでも見れば十分でしょう。そして、これらの資質を

自分が持っていることと、それを示すエピソードをでっち上げれば自己PRは完成です。

100%嘘が厳しいなら、一部真実を誇張していって50%嘘くらいから慣れていくと良いでしょう。

周りと似たようなことを言うことになりますが、エピソードまで同じになることはないですよね?

それでも、自分の長所や短所を履歴書に書くために自己分析しなくちゃ…という人は

診断系のサイトがお勧めです。とりあえず、Test.jp のタイプ分けでもやってみてください。

②志望動機なんて無い!

その気持ちはよく分かります。選んだ理由はあるけれど、履歴書なんかに書けるほどの理由では

ないってことはよくあることです。にもかかわらず、私がいきたいのは御社だけだ!!って言わないと

いけないんだから、かなり大変です。特に第一志望がダメで、嫌々他を探さないといけなくなった

なんて状況だと辛いものがあるはずです。1つのテクニックとしては、業界雑誌を利用するという手段があります。

こういった雑誌には、企業の強みの比較や、様々な角度からの

ランキングなどが掲載されており、運がよければ、志望先企業に対する記者のコメントが載って

いるかもしれません。社員の資格保持率や、業種別の売上などを見れば、人材育成に力を入れて

いるとか、自分の興味のある分野に強みを持っているとか、適当な理由がでっち上げられます。

そんなのでいいの??って思われるかもしれませんが、そんなのでいいんです。奇抜な理由で

賭けに出るよりも、もっともらしい内容で可もなく不可もなくの方が安全です。そんなことよりも

面接官は受け答えを通して、コミュニケーション能力を測っている場合の方が多いですから。

③よく訊かれる質問は?

ある程度は調べておいた方が良いでしょう。情報交換のウェブページなんかも結構ありますし

だいたい毎年似たようなことが訊かれているようですから。ただ、1つ1つの質問にどう答えるか

あらかじめ用意しておくのはお薦めできません。それ自体が結構大変ですし、かえって頭が

真っ白になるだけかもしれません。さも暗記してきました!って感じになるのも問題ですしね。

どちらかというと、喋りたい内容を用意しておく方がいいでしょう。①で書いた、その職で必要と

される資質を自分が持っていることを示すエピソードを数個作っておき、それを応用して話を作る

ようにすれば、混乱することもないですし、暗記口調になることも無いでしょう。私の例で言うと…

Q.志望理由は?

システムの仕様をまとめる仕事を任されたことがあったが、相手の業務を理解していなかったため

意思の疎通が思うように出来なかった。相手の視点に立ってシステム作りに携わりたいと思った。

ユーザとの距離が近く、業務知識を身につけられる御社を選んだ。(顧客重視の会社方針を踏まえて)

Q.苦労したことと、それを乗り越えた方法は?

システムの仕様をまとめるため事務員と話し合ったが、意思の疎通が上手くいかなかった。

同じ言葉を違う意味で使っているのに気付き、実物を見せたりすることで、話が通じるようになった。

話すことだけがコミュニケーションでないことを知った(自分にはコミュニケーション能力がある!)

Q.自己PR

実際のシステム開発に携わることで、必要な能力や、勉強では学べないコミュニケーションの

センスを身につけることができた。研究室のメンバーと協力し、メンバーをまとめていく中で

将来もこういった仕事がしたいと思った…(必要な能力を理解し、すでにその経験もある!)

 

何となく感じは掴めたでしょうか?実際はここまで露骨にはしませんでしたが、突き詰めれば

ネタ自体は3個ほどの使い回しでした。訊かれ方に対して答え方を変えただけなんですよね。

こうすれば、どんな質問からも言いたいことが言えます。ちなみに8割ほどは嘘ですが(´。`)

④キーワードがある!

実は結構良い手段があります。調べるのは大変なんですが、幾つか同業の会社説明会に

参加すればなんとなく分かってくるかもしれません。それは何かというと、キーワードを言うことです。

もちろん秘密の暗号ではありません。よく分からないと思うので、SIerの場合で例を挙げましょう。

SIerの仕事は顧客から依頼されたシステムを作り、場合によっては運用や保守をすることですが

明らかに面白そうなのは開発の段階ですよね?特にコンサルタントなどの上流工程に注目が

集まります。しかし、実際には退屈そうな運用や保守が、その会社の信頼性や、新たな仕事

(運用している中で新たな問題が見つかっていく)を生む重要な業務なんです。これはどんな

職業でも言えることだと思いますが、地味でも絶対不可欠な部分があるんです。そういったことが

分かっていても、自分が配属されたら嫌だから言わないという人が多いのですが、配属先なんて

新人研修が終わったあとの話で、内定をもらう前に気にするのはとんだ杞憂です。

そんな中で、ずばっと、私は運用こそ大事な部分だと思う!!みたいなことを言うと、評価と

印象がどっと上昇するわけです。つまりその言葉がその業界のキーワードというワケです。

これは、役員相手がかなり有効なようで、学生なのによく分かってる!と感動していたという話を

担当の人事の方から実際に聞きましたから、SE志望の方はここぞと言うときに役立ててください(笑)

⑤ものには言い方というものがある

これは明らかにプラスになるだろうと思って言った言葉が、その言い方次第でマイナス評価に

繋がるということは知っておいた方が良いでしょう。ここでは典型的で分かりやすい例を1つ挙げます。

例えば、たくさんの資格を持っていたとします。その業種とは関係ない資格はむしろ隠しておいた方が

いいのですが(理由はあとで)、関係ある資格を複数持っていたと仮定しましょう。

間違いなくプラス評価になると思うかもしれませんが、大きな落とし穴があるんです。

A.「みんな持っているし、持っていて当たり前」と謙遜してみた。        

B.「資格取得の講座があったので、積極的に参加した」と積極性をアピール。

C.「自分を高めることが好きだから」と、向上心をアピール。           

どれが良いと思います?まぁ全部マイナス評価なんですけどね。謙遜なんてするだけ無駄ですし

持っていて当たり前なら評価対象になりません。積極性をアピールしたいのは分かりますが

資格取得が目的では、資格の意味を理解していないと判断され、マイナスです。自分を高めるのは

結構ですが、「資格を取る=自分を高める」では無いですし、ただの資格コレクターだと思われる

危険があります。最初に関係ない資格は隠した方が良いと言ったのはこのためです。

結局、資格なんてただの副産物なんです。ですから、資格を取ること自体が目的になってしまったり

資格を取ることで自分の能力が高まっているかのように考えていると痛い目に遭います。

では、どんな風に言えば良いかというと、何らかの原因で技術や知識の必要性を感じ、勉強する上で

目標にした。もしくは、勉強する範囲の目安にした。などと言うのが良いでしょう。どちらにせよ

別に資格は必要なかったけど、どうせなので取った、というスタンスでいるのがちょうど良いです。

大切なのは資格自体ではなく、資格が取れるくらいの知識・技術を身につけ、努力したことですから。

このように、言い方次第でプラスにもマイナスにもなることがあるので注意しましょう。

⑥嘘だって仕方ない

それでも嘘は吐きたくない!という正義の人がいるかもしれません。嘘を吐かなくても完璧な人なら

嘘を吐く必要は当然ないのですが、たいていの人は、途中でくじけることになるでしょう。

例えば、リーダーシップがあるか?(こんな露骨ではないでしょうけど)と訊かれた場合。

自分には無いから、リーダーシップの欠片もありません!と答える…なんてことはないですよね。

かと言って、他の話にすり替えたり、ぼかした回答をすると、コミュニケーション能力に問題ありと

いう痛い評価を受けることになりかねません。こんな質問をされるということは、その職にその能力が

必要だということなんです。ですから、訊かれた時点で「あると答える」以外の選択肢はないんです。

それでも、嘘を吐きませんか?仕方ないんです、社会というのは世渡り上手が生き残るんですから。